原作者:あざの耕平 インタビュー
ついにやってきた東京! 始まった陰陽塾生活! 気になるアニメの行く先を、原作者・あざの耕平が教えます!
――『東京レイヴンズ』の特徴は「学園陰×陽ファンタジー」という独特の世界観ですが、学園と陰陽師という要素を組み合わせようとしたきっかけは?
前作『BLACK BLOOD BROTHERS』は剣戟メインだったので次は呪術バトルにしたいという思いがあり、また和風のイメージに惹かれていたので陰陽師というアイデアが出てきました。そして前作の主人公が100歳の吸血鬼だったので、今度はもっと読者に親近感を抱いてもらえるような──つまり10代の若者を中心にお話を書こうと思ったんですね。それで自然と学園ものになりました。陰陽塾という舞台は、学園ものという設定を考えたときにするっと思いついた憶えがあります。
――アニメで春虎たちの活躍を見た感想はいかがでしょうか?
「ああ、ようやくここまで来た」という感慨深い思いがありました。私は脚本会議に参加していますし、アフレコにも立ち会っています。そうやってアニメがだんだんとできあがってくるところを見ているので、完成品を見たときは嬉しかったですね。特に第三話の動きは思わず見入ってしまいました。細かいところまできっちり作りこんでくれていて感動しましたね。
――アニメでは春虎たちがついに東京へやって来ました。あざのさんから見た東京という土地はどんな場所でしょうか?
私自身、地方出身なので、東京というと新宿や渋谷といった街がすぐにイメージされていました。しかし東京に住んでいる今では、都市というよりもちょっとした国家のようなスケール感があります。ただ、電車で移動することが多いので、東京が地続きになっているという意識は乏しいんです。なので作中の陰陽庁や祓魔局の場所を決めるのには苦労しました。矛盾が出ないよう地図を見ながら「この辺だろう」というのは考えていますが、それ以上に、東京のことをまったく知らないという人でも難なく読めるように意識しているつもりです。
タイトルに「東京」とつけたのは、陰陽師を題材にしているけれど舞台は現代の東京ですよ、というのがストレートに伝えたかったからです。東京には、京都にはかなわないかもしれませんけど、いろいろと呪術的なお話や都市伝説があるので、そういう逸話も作品に絡ませられたら面白いかな、と思った記憶があります。
タイトルに「東京」とつけたのは、陰陽師を題材にしているけれど舞台は現代の東京ですよ、というのがストレートに伝えたかったからです。東京には、京都にはかなわないかもしれませんけど、いろいろと呪術的なお話や都市伝説があるので、そういう逸話も作品に絡ませられたら面白いかな、と思った記憶があります。
――アニメ化されたことでより魅力的になったと思うところは?
立体感というとちょっと違うかもしれませんが、色がつき、声がつき、動きがつき、しかも音楽までついて、というアニメならではの表現が活きていているところです。やっぱり小説とは違う魅力が出ています。呪術の表現に関しても、アニメの画で見ることができるので痛快さがありますね。小説では文章で描いている部分を、アニメの表現方法でうまく再構築していただいていて、ありがたい限りです。
アニメを見たからこそ小説を読んだときのイメージがさらに広がるとも思います。文章がアニメの映像と重なって、奥行きを持って頭の中で広がってくる、というような相乗効果が出ると良いなと思っています。
アニメを見たからこそ小説を読んだときのイメージがさらに広がるとも思います。文章がアニメの映像と重なって、奥行きを持って頭の中で広がってくる、というような相乗効果が出ると良いなと思っています。
──『東京レイヴンズ』の中で好きなキャラクターは誰でしょう?
誰かと言われると迷ってしまいますが、なんだかんだで主人公の春虎は好きですね。彼の周りに登場するキャラクターたちは多彩で、しかもクセのあるヤツらばかりです。そういうキャラクターがどんどん出てくる中で、春虎はしっかりと主人公として頑張ってくれています。そういう意味では白米ごはんみたいな感じです。ついつい味が濃いおかずの方に注目しがちですが、そうは言ってもごはんがないと物足りないでしょ、という感じのキャラクターになっていて、好きですね。
――個性的なキャラクターが数多く登場するレイヴンズですが、あざのさんはどのようにキャラクターを作り、物語に配置しているのでしょうか?
レイヴンズの場合、書きたいシーン、書きたいキャラクター、書きたいストーリーがそれぞれあったので、複合的に考えながらストーリーや設定を練り、キャラクターを配置しました。
主役の春虎と夏目は初期の段階から決まっていました。特に春虎のほうは性格まで含めて、かなり明確にイメージが定まっていたキャラクターです。夏目は春虎に合わせるような形でいくつかタイプを考えていたんですけど、最終的にそれらを全部合体させてバランスを取った感じになりましたね。『東京レイヴンズ』のような主人公が成長していくストーリーだと、ヒロインの存在がそのまま世界観やストーリーの根幹につながっている場合が多いです。夏目もその法則にあてはまっていて、一番の謎の鍵となる存在になりました。
主役の春虎と夏目は初期の段階から決まっていました。特に春虎のほうは性格まで含めて、かなり明確にイメージが定まっていたキャラクターです。夏目は春虎に合わせるような形でいくつかタイプを考えていたんですけど、最終的にそれらを全部合体させてバランスを取った感じになりましたね。『東京レイヴンズ』のような主人公が成長していくストーリーだと、ヒロインの存在がそのまま世界観やストーリーの根幹につながっている場合が多いです。夏目もその法則にあてはまっていて、一番の謎の鍵となる存在になりました。
──原作小説がどこまでアニメ化するのかというのを、スバリ教えていただけますでしょうか。
ようやく言えるようになりました。小説の9巻まで……つまり、第一部を全部やります!
アニメの後半は話が複雑になっていきますが、めまぐるしく絡み合うストーリーや、スピーディーな展開にご期待ください。そしてキャラクターたちがそれぞれどんなふうに行動して成長していくか、というところを見ていただきたいです。加えて、アニメになったことで呪術のバトルシーンが見栄え良くかっこ良く描かれています。そこも注目していただければと思います。小説9巻分のストーリーをぎゅっと圧縮しているので、一瞬も目が離せないですよ。
アニメの後半は話が複雑になっていきますが、めまぐるしく絡み合うストーリーや、スピーディーな展開にご期待ください。そしてキャラクターたちがそれぞれどんなふうに行動して成長していくか、というところを見ていただきたいです。加えて、アニメになったことで呪術のバトルシーンが見栄え良くかっこ良く描かれています。そこも注目していただければと思います。小説9巻分のストーリーをぎゅっと圧縮しているので、一瞬も目が離せないですよ。
――では最後に、アニメ視聴者の方々にメッセージをお願いします。
『東京レイヴンズ』のアニメは、これから話がどんどん展開していきます。後半にならないと出てこないキャラクターもいますが、彼らもすごく魅力的なのでぜひ最後まで見てほしいです。